Size:Φ115mm×H62mm
桜材
今回は刳り貫きではなく、木地師による成形で、塗りは川地さんが施しております。
勿論、形やサイズは川地さんが指示してございます。
拘りの強い川地さんでしたが、腕と感性のある良い木地師と出会えたことから、初めて轆轤を依頼されました。
全て自分で刳り貫くよりも時間と手間が省けるので、最近の刳り貫き作品よりも価格はかなり低めに抑えられています。
ただ、轆轤といえど価格を抑えるためにはある程度の数の発注が必要なので、形の部分は試行錯誤されておりました。
お陰で良いバランスの椀が生まれたと思います。
見込みは少し刷毛目を残しつつも光が反射する程度に品よく仕上げ、表は砥の粉による大胆な刷毛目をデザインに利用した川地さんらしさ全開の椀でございます。
以前料理屋さんに納めた川地さんの椀が、面取の山の部分が少し擦れてとても良い感じにエイジングしていて、川地さんと一緒に驚き桃の木山椒の木状態だったのですが、この椀も使い込むことによって強い刷毛目の感じが擦れて少しずつ優しい表情になっていくと思います。
「骨董品のように経年による味わいある表情に育っていくような作品を作りたい。」
時折川地さんが仰る言葉です。
それをまさに実感できるような椀だと思います。
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